東京優駿(日本ダービー)を勝った馬が3頭揃って話題になった今年のジャパンカップだが、勝ったのは無名な上がり馬・スクリーンヒーロー。
実は自分がこのスクリーンヒーローを見たのは、11月第2週目の重賞アルゼンチン共和国杯でのこと。出走馬のそれまでの実績に応じたハンデ戦なので、準オープンという下のクラスから挑戦したスクリーンヒーローは、当然と言うかハンデが軽い方。
アルゼンチン共和国杯の勝利は、競馬番組の出演者をして「ハンデに恵まれた」との話で、素人目にその通りに見えた。ここから更に上というのは、もう少し時間がかかりそう。でも月末のジャパンカップには出てくれたら面白くなりそうだとも、多少は思うものでもあった。
出馬表を見ると、本当にジャパンカップにエントリーしており、いざ走ってみれば、アルゼンチン共和国杯が棚ボタ勝利だったにしても勝って勢いがついたのか、実績馬どうしの潰し合いに巻き込まれなかったスクリーンヒーローが、単勝9番人気で大穴を開けた。
スクリーンヒーローの父・グラスワンダーは、現役時代に何度も故障でダウンしながらも有馬記念を連覇するなど、底力を見せたが、骨折からの復帰2戦目であるアルゼンチン共和国杯は見るところなく負けたし、ジャパンカップはチャンスがあった2度ともその時期に不調で出走できなかった。スクリーンヒーローは総合成績ではまだ父親に届いていないが、父親が取りこぼした重賞をふたつ勝ち、孝行息子となったのである。
東京優駿も天皇賞も牝馬に取られて、牡馬のレベル低下が否定できない時代だけど、レベルが低ければ低いなりの、見ていて楽しい競馬もある。

